KOBE ART AWARD
 


新しい助成・顕彰事業、KOBE ART AWARDについて
基金発足20周年を記念して2012年より兵庫・神戸の文化を支える新しい取り組みを始めました。従来は、具体的な事業に対しての事業助成であるのに対しKOBE ART AWARDは、兵庫県内で地道で意欲的な芸術活動を継続的に行っている団体または個人に対して助成・顕彰を行います。
■ KOBE ART AWARD 概要
大賞:国内外に発信できるレベルであること 50万円
優秀賞:意欲的、先駆的な活動であること 30万円
地域賞(地域貢献賞):地域に密着し、相互交流のある活動であること 10万円×2組
■ 選考基準
兵庫県下で、5年以上にわたり、優れた芸術文化活動を継続している団体または個人(団体の連合体は対象としない)。
また、それらの活動が外部に公表されていること。(Webサイト、記録誌、評論などによってアクセスできること。)
■ 選考方法
財団の評議員・理事によるノミネートにより、審査員(理事)が採点、さらに最終審査会を経て決定。

8 (2019年度)  KOBE  ART  AWARD  助成先

 

【大賞】 いいむろなおき (マイム俳優)

1971年東京生まれの尼崎育ち。県立宝塚北高等学校演劇科卒業後渡仏し、パリ市マルセル・マルソー国際マイム学院卒業後、ニデルメイエ国立音楽院コンテンポラリーダンス科を首席卒業。フランスと日本でマイム、ダンスの公演やワークショップを行う。1998年活動拠点を日本に移し、関西を中心にソロや集団のマイム劇の創作・上演に意欲的に取り組み、優れた成果を上げた。海外(韓国、タイ、ベトナムなど)からも招へいされ高い評価を受けている。また、外部の演出、振り付け、指導を幅広く手掛けるなどマイムの普及と向上に尽力している。
助成金額:500,000
 

[ 優 秀 賞 ]  マウロ・イウラート (ヴァイオリニスト) 

イタリア、トリノ出身のヴァイオリニスト。ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院卒業、ウィーン国立音楽大学及び同大学のプロジェクトにより派遣准教授として2003年に来日、アンサンブル神戸コンサートマスター。相愛大学音楽学部講師。大阪フィルハーモニー交響楽団、兵庫芸術文化センター管弦楽団等のゲストコンサートマスター等を務める。また、ラジオ出演や「ゆず」の収録、TVPV等に出演するなど幅広い活動を行う。自宅のある北野町でハルモニアKOBE(株)設立。ハルモニアKOBEヴァイオリンスクールでは国際的レベルでの音楽教育を目指す。1690年ジョッフレード・カッパ作「コッラ・デッラ・キエーザ」(ヴァイオリン)とG.ルッキ特別制作の弓を使用。
助成金額:300,000
 

[ 地域貢献賞 ]  イカロスの森 (小劇場)

30年近くに渡り神戸の演劇シーンを支えてきた小劇場。民間施設ならではの柔軟な運営ときめ細やかなサポートで、学生劇団はじめアングラや小劇場演劇に携わる人たちの拠り所として大いに支持されている。地元の演劇関係者を中心に母のように姉のように慕われた名物小屋主の橋本美紀子さんは残念ながら2016年に逝去されたが、現在もその志を受け継ぎパートナーである二ノ宮修生さんが神戸の小劇場の灯をともし続けている。
助成金額:100,000
 

[ 地域貢献賞 ]  但馬ミュージカル研究会       

1994年の但馬の祭典を機に、日本ミュージカル研究会(劇団JMJ)の主宰であり作・作曲・演出家の髙井良純氏を芸術監督に迎えて設立。「ヒボコ」「じろはったん」「心を繋ぐ子守唄」「こうのとりが飛ぶとき」など主に但馬地域を舞台にしたミュージカルを創作上演している。子どもが出演する演目がある場合、新たに子ども団員を募集し、基礎からトレーニングを施し、育成してから出演させる。練習の過程、実際の舞台活動を通し、歌うことや演じることの楽しさ、面白さを子どもたちに教える。ミュージカルを通して、地域の文化・歴史にふれ郷土愛を育むことを目標としている。
助成金額:100,000
 


第7回(2018年度)KOBE ART AWARD 助成先

 

【大賞】スズキコージ (画家)

1948年静岡県生まれ。創作絵本も多数手がけ、数々の絵本賞も受賞している、その作品はファンタジックで、時代も場所も不明でありながら生命力に満ち溢れ、見るものに、きっと何処かに実在すると思わせるような説得力を持っている。また、常に社会に対する懐疑的な視線が感じられるが、それと共に世界を救済へと導こうとする強い確信的な愛情を感じる。2011年、東日本大震災を機に拠点を東京から神戸に移す。
助成金額:400,000 円
 

【大賞】Ensemble Sonne 岡 登志子 (ダンサー)

神戸生まれ。ピナ・バウシュを輩出したドイツのフォルクヴァング芸術大学舞踊科卒業。
現代を生きる人間に共通する身体を通し、人間の実存を問う作品づくりを行う。内外の音楽家や美術家、スポーツ選手との意欲的なコラボレーションによって、つねに革新的な綜合芸術を創造するなど、芸術の各ジャンルを越境し、斬新で多元的なアート・コミュニティを形成する存在となっている。1993年よりEnsemble Sonne主宰。
助成金額:400,000 円

 
【地域貢献賞】元町映画館 (映像)

2010年、映画ファンの有志によって設立された(一社)元町映画館を経営母体として、元町商店街4丁目に開館。機材は閉館した映画館から譲り受け、自らの手でペンキを塗った「手づくりの映画館」。上映作品は各国の映画祭受賞作からいわゆるB級映画、新進作家の意欲作、ドキュメンタリーまで幅広く、ロードショーのほか「元町セレクション」と題した特集上映も多数企画。ただ観る場所を提供するだけでなく、2階のイベントスペースや外部施設を活用した上映後のトークショー、近隣店舗や団体とのコラボレーションイベントも頻繁に開催し、コミュニティシネマとして独自で挑戦的な姿勢を貫く。
助成金額:100,000 円
  

【地域貢献賞】神戸映画資料館 (映像)

1974年、神戸出身の安井喜雄を含む映画好きの仲間がプラネット映画資料図書館を大阪に設立、2007年3月25日、阪神淡路大震災で大きな被害を受けた新長田において神戸映画資料館を開館する。フィルムアーカイブ活動の充実を目指し、2014年に一般社団法人神戸映画保存ネットワークを設立。文化庁の「美術館・歴史博物館重点分野支援事業」を受け、神戸映画資料館収蔵フィルムの網羅的な調査が実現する。
助成金額:100,000 円


第6回(2017年度)KOBE ART AWARD 助成先

 

【大賞】藤本由紀夫(サウンドアート)

1950年生まれ。1980年代半ばより日常のなかの「音」に着目した装置、サウンド・オブジェの制作を始め、インスタレーションやパフォーマンス、ワークショップを通じて「音」の体験から新たな認識へと開く活動を展開。2001年、2007年にヴェネツィア・ビエンナーレに参加するなど国内外の美術館で多数の展覧会に招待。1997年から2006年に「美術館の遠足」という一日だけの展覧会を毎年開催。神戸ではC. A. P.(芸術と計画会議)の創立メンバー。「音・文字・グラフィック」の関係性を検証、それにもとづいた制作を行なうプロジェクトphono/graphに参加。京都造形大学大学院芸術研究科教授。
助成金額:500,000 円
 

【優秀賞】季村敏夫(詩人)

詩人。詩誌研究家。詩集『ノミトビヒヨシマルの独言』(書肆山田)で現代詩花椿賞。詩集『木端微塵』(2004年、書肆山田、山本健吉文学賞)、『山上の蜘蛛―神戸モダニズムと海港都市ノート』(2009年みずのわ出版、小野十三郎特別賞)。『膝で歩く』(書肆山田)『日々の、すみか』(書肆山田)『かむなで』(書肆山田)、『災厄と身体』(書肆山田)『豆手帖から』(書肆山田)ほか。現在、アンソロジー『稲垣足穂と竹中郁周辺の詩人―1920年代モダニズム詩』を編集中。ベオグラード在住の詩人、山崎佳代子さん(読売文学賞)に招かれて2015年6月 ルーマニアの詩祭“Gate of Poetry(詩の門)”に参加。
助成金額:300,000 円
 

【地域貢献賞】NPO法人 神戸外国人居留地研究会(学術)

神戸外国人居留地を大きなテーマにしながら、神戸の歴史に関する調査、研究や資料収集の成果を内外に発信し、国際交流や街づくりにも寄与している。今年度は神戸開港150年を記念した書籍の出版、居留地研究会全国大会の開催を企画するなど活発に動いている。
助成金額:100,000 円
 

【地域貢献賞】神戸凮月堂(メセナ活動)

落語の恋雅亭、劇団神戸の「コメディー・ド・フウゲツ」 朗読サロン、毎年8月に戦没画学生にちなむ「窪島誠一郎の語り」などの息の長い活動。現在では「神戸モーツアルトクラブ」、「木津川計の一人語り劇場」など。
村山リウ「源氏物語」を読む会、そしてそこから生まれた「ロドニー賞」。
実に多くの文化活動が神戸凮月堂から生まれた。
助成金額:100,000 円


 
第 5 回(2016 年度)KOBE ART AWARD 助成先一覧

 

【大賞】智内威雄(ピアニスト)

複数の国際コンクールに入賞するなどの活躍中、右手に局所性ジストニアを発症。リハビリを経て、非常に質の高い左手のピアニストとなる。13年の活動をとおし片手のための音楽の発掘と復興のためのアーカイブプロジェクトに取り組み、録音、映像化、技法の開発、ワークショップや交流を通じてハンディキャップのあるピアニストの未来を切り拓いている。
助成金額:500,000 円
 

【優秀賞】The Conference on Art and art Projects 芸術と計画会議(C. A. P.)

1994年12人のアーティストで「これからの美術館」を考える会としてスタート。1999年に拠点を旧居留地から北野の旧ブラジル移民収容所へ移し、現代社会に活きる芸術の研究、芸術を社会に浸透させる新たな仕組み作り、芸術を通した社会教育の推進、芸術を軸とした国際交流活動を行う。それらはアーティストたちによる理想郷(共同体)を現代において先駆的に実験する試みとして高い評価をえている。
助成金額:300,000 円
 

【地域貢献賞】岸本敏朗(演出家) 

劇団四紀会の創立メンバー。「この地域で劇団活動を続ける意義はどこにあるか」を追求。「神戸の人たちが生活の中で芝居を楽しむ場造り」にこだわり、元町駅前の稽古場を『賑わい座』としての演芸活動を展開している。
助成金額:100,000 円
 

【地域貢献賞】谷省吾(演出家・俳優・指導者)

1990年遊気舎に入団し、俳優、演出家として活動する。1997年「いるかHotel」を旗揚げ、劇団を主宰し、演出家、俳優として活躍する。神戸アートビレッジ・ワークショップ、ラジオ関西演劇入門講座、ピッコロ演劇学校等の講師として長年に亘り人材育成に努める。
助成金額:100,000 円


第 4 回(2015 年度)KOBE ART AWARD 助成先一覧

 

【大賞】Dance Box 大谷燠

Dance Boxは、震災復興再開発にともない衰退しつつあった新長田に拠点を置き、その活動はダンスというジャンルを超え、演劇や音楽など芸術文 化全般に及んでいます。こうした国境をも超えた先駆的な民間劇場としての活動に深い敬意を捧げます。
助成金額:400,000 円
 

【大賞】河東けい

関西芸術座の創立メンバーで、ギブソンの「奇蹟の人」では教師サリバンを演 じて600回以上上演。その名演が語り継がれています。1993年に三浦綾子原作の、ひとり芝居「母」を初演。国際演劇祭に招聘される などライフワークとして演じてこられ、また若手との舞台創りに情熱を傾けておられます。ここに深い 敬意を捧げます。
助成金額:400,000 円
 

【地域賞】藝術文化雑誌「紫明」

城下町丹波篠山という自然と文化豊かな地から全国に向けて、質の高い芸術・文化の情報を発信し続けている藝術文化雜誌『紫明』。毎回テーマにあわせ、それぞれの専門分野で著名な方が、質の高いユニークなエッセイや小論を集めた、文化の薫り豊かな内容で高い評価を得ています。その継続する志に深い敬意を捧げます。
助成金額:100,000 円
 

【地域賞】村井弘昌

播州平野北部、西脇市で平安時代に遡るという播磨藍の“すくも”を蘇らせるために 自然との対話の中で丁寧に育て生活文化に留まらない藝術文化の土壌を豊かに育む貴重な仕事の担われていることに深い敬意を捧げます。
助成金額:100,000 円
 
*今回は異例のことですが、優秀賞なし、大賞を2名とし各40万円を贈ることといたしました。

 


第 3 回(2014 年度)KOBE ART AWARD 助成先一覧

 

【大賞】 貞松正一郎、上村未香(貞松・浜田バレエ団)

貞松正一郎さまは国際的な舞踊家としてクラシックバレエから創作バレエまで主演される他、振付やプロデュースに至るまで若い世代のリーダーとしてバレエ界への飽くなき挑戦を続けておられます。地域に密着した活動から日本各地、そして海外まで、上村未香さまと共に素晴らしい活動を展開されています。
 

【優秀賞】森本アリ(グッゲンハイム邸)

解体危機にあった塩屋の築105年の海辺の洋館「旧グッゲンハイム邸」を保存し管理、運営する傍らユニークなプロデューサーとして、多彩な文化の風を吹かせておられます。また塩屋の街づくりに新しい発想で取り組まれ、全てが新しい神戸の未来をデザインすることに繋がっています。今後さらなる活動を願っています。
 

【地域賞】元町ミュージックウィーク実行委員会

元町商店街を中心にして、平成 10年に始まった、神戸市民による神戸市民のためのプロ、アマを交えての手作り音楽祭は、すっかり神戸の文化発信として定着しました。単なる賑わい作りを超えた、元町の文化的魅力を地域ぐるみで作りあげる手法は、「神戸ジャズストリート」と共に音楽祭のモデルとしても讃えたいと思います。
 

【地域賞】特定非営利活動法人兵庫県子ども文化振興協会

その前身である兵庫県おやこ劇場、子ども劇場協議会の長い活動の歴史と成果の上に立って、子どもの文化の創造と子どもの豊かな成長に寄与する活動を続けて来られました。中でも阪神淡路大震災後のシアターワークスや近年のホットアートプレゼント(小児病棟への出張公演)やママパパラインひょうご(子どもと子育て家庭に寄り添う電話相談)など独自の事業、活動を高く評価いたします。


第 2 回(2013 年度)KOBE ART AWARD 助成先一覧

 

大賞 榎忠(現代美術家)

独創的な表現活動は現代美術の世界を刺激しリードし続けてきました。その活動に敬意を払い、第2回AWARD大賞と50万円をお贈りし、一層のご活躍を祈念いたします。
 

【優秀賞】アンサンブル神戸(矢野正浩)

震災を契機とし、プロフェショナルなオーケストラを創立し、松方ホールを拠点とし、厳しい運営を克服しながら着実に成長してこられました。その活動に敬意を払い、運営の一助としていただきたく、AWARD優秀賞と30万円をお贈りし、一層のご活躍を祈念いたします。
 

【地域賞】姫路文学人会議

1967年に市川宏三さんによって結成され、『文芸日女道』を刊行されてこられました。発刊は543号を重ね、刊行にとどまらない地域文化の指導的役割を果たされてきました。AWARD地域賞と10万円をお贈りし、一層のご活躍を祈念いたします。
 

【地域賞】風来舎(伊原秀夫)

地方出版社の存立が極めて困難な時代に、質の高い出版・編集のプロデュースを続けてこられました。
AWARD地域賞と10万円をお贈りし、一層のご活躍を祈念いたします。


 第 1 回(2012 年度)KOBE ART AWARD 助成先一覧

 
【大 賞】名倉誠人(マリンビスト)/個人

助成決定理由:国内外に発信できる高い芸術性、および意欲的で先駆的な活動を続けている。
助成金額:500,000 円
 

【優秀賞】松田一戯(木彫フォークアート)/個人

助成決定理由:木彫作家として優れた作品を発表するかたわら、フォークアートとしての木彫を養父市大屋から発信し、全国に知らしめ地域の振興に寄与し続けている。
助成金額:300,000 円
 

【地域賞】須磨寺一弦琴保存会/団体

助成決定理由:一千百余年の歴史をもつ一弦琴を、須磨寺の歴史とともに継承し現代に甦らせ、47 年の長きにわたりその魅力を伝えている。
助成金額:100,000 円
 

【地域賞】神戸映画サークル協議会/団体

助成決定理由:日本で初めて映画が上陸した地・神戸で、映画を愛する市民のために、60 年間にわたり素晴らしい映画を 600 本以上紹介している。
助成金額:100,000 円